愛犬ルナ 逝く


1月15日に我が家の犬 ルナが死にました。
15歳と3ヶ月。中型犬としては天寿を全うしたのではないかと思います。

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居なくなってから10日、今日初めて“ちゃんと”泣くことができました。
娘が大森元貴くんの『メメント・モリ』という曲のMVを見せてきたので、一緒に観ていたのですが、それは死を歌ったものなのです。
可愛らしいアニメーションのMVは「僕」のおじいちゃんとおばあちゃんと猫ちゃんが先に死んだ者として描かれています。

黒猫ちゃんが空を駆けながら僕に笑いかけているシーンで堪えきれず、こんなふうに泣くのはいつ以来になるのか…
激しく泣きました。

死んだ直後は、家族みんなでお世話できたことや、前日長男がお風呂に入れてあげ、そのあと娘がドライヤーで乾かしてあげてとても綺麗な身体で逝かれたことや、事前に読んでいた犬の末期症状の段階通りに、ルナが老衰による「自然死」を遂げたことや、最期を看取ることができたことなどにホッとして「ああ良かったなぁ」という穏やかな満足感のような気持ちだったのです。

朝起きてきて、いつものようにルナのベッドに行き、スポイトで水を口に何度か入れてあげ、目尻に浮かんだ涙を拭いてあげて、体位を変えようとした時に目が動かなくなり、絶命したのを悟りました。
私が起きて来るまで、死なないで待っていたのだと確信しています。

犬という生きものは何という健気な生きものなんだろう。
待って待って待ち続ける一生だといえます。

散歩に行くときも、ご飯をあげるときも、家族が仕事や学校や旅行に行く時も、ずっとずっと待たされる一生でした。
「ちょっと待っててね」と何度言ってきたことでしょう。

あげく目の前に出されたご飯でさえ、「待て」と言われ、「伏せ」と言われ、「バン!」と言われ、いろいろやらされてからやっとありつくことができるのです。
躾としてお座りして待つことは必須ではあるのですが…。

「間に合ってよかった」という想いが、「いや、待っててくれたんだ」という想いに変わり、さらに今は
「最期の最期まで待たせてしまったなぁ」に変わりました。

老衰の場合、本当に末期になるとどんな大好物を出されても食べなくなり、水もほとんど飲まなくなります。そうなると便が変わり軟便に変わっていきます。
もう、そこまでいったら夜も同じ部屋で、できればすぐ近くで寝るのがいいと思います。
私は隣りの部屋で寝てしまいました。
しばらく前からルナのイビキが大きくなり、寝るのに支障があったので隣りの部屋で寝ていたのです。
まだひと月くらいは保つのではないか…と勝手に考えていました。

なので老犬のいる方には、とにかく食べなくなって便が変わり、水を飲まなくなったら出来る限り一緒にいてあげてほしいと思います。

自然死は、そうやって体内の水分を排出して枯れていくことで、苦しみの少ないものになるそうなので、無理に食べさせたり飲ませたりはしないほうが良いでしょう。

でも泣くことができてよかったです。

 

ツナ缶のフタを開ける時、鶏肉コーナーで軟骨を見かける時、ホームセンターで犬のオヤツ売り場を横切る時、日向ぼっこ日和の昼、ふとした瞬間にルナが生きていた時のままの心理状態になり、次の瞬間「あっいないんだ」と思って身震いをする。

こういう状態がしばらく続きそうです。

息子はほぼ毎日のようにルナの夢を見るようです。